2007年3月19日月曜日

HACCPの基礎:その4

一般衛生管理事項について


CODEXとして国際標準化している「一般衛生管理事項」(GMP+PP=SSOP)は、食品衛生法上の食品衛生管理基準であり、また、HACCPシステムの土台(前提条件)となっています。

一般的衛生管理事項(プログラム)は、GMP(Good Manufacturing Practice:適正製造基準)とPP(Prereguisite Program:一般衛生基準)を十分に満たしている事が前提となっていて、この二つを基本としてSSOP(Sanitation Standard Operation Procedure:衛生標準作業手順)を作成し、運用する事によって「一般衛生管理(事項)プログラム」は達成されていきます。

「一般衛生管理事項」は、下記のような10項目からなり(1)管理運営基準 と(2)施設基準が網羅されています。従って(1)製造環境衛生を確保するための手順書と(2)製造工程の中で食品などを衛生的に取り扱うための手順書に大別しながらSSOPつまり「衛生標準作業手順書」を作成していきます。


  1. 施設設備・機械器具の衛生管理

  2. 施設設備・機械器具の保守点検

  3. 従事者の衛生管理

  4. 従事者の教育訓練

  5. 鼠族昆虫の防除

  6. 食品等の衛生的な取り扱い

  7. 排水及び廃棄物の衛生管理

  8. 使用水の衛生管理

  9. 食品の回収プログラム(手順)

  10. 製品等の試験検査に用いる設備等の保守点検

以上の10項について、5W1H(Why・What・When・Where・Who・How)式に、(1)作業内容(2)管理手順(3)実施頻度(4)担当者(5)記録文書を定めてSSOPを作り上げていきます。

2007年3月7日水曜日

HACCPの基礎:その3

CODEX(コーデックス)について


各国の食品衛生基準は、食品衛生法並びに関係法令などで明文化され且つ罰則付きとなっています。勿論慣習法的な不文律も存在し、それなりの機能を果たしています。

日本の食品衛生法とHACCPとが関係している条文は、4条・7条・19~20条となっており、少なからずCodex食品衛生の一般原則からの影響を受けています。又Codex委員会の(CAC)のガイドラインがHACCPの土台となっています。

CACとは1962年にWHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)が合同で作り上げた国際的な機関で、その由来はコーデックス・アリメンタリウスというラテン語から来た言葉で、食品規格という意味を持ち、国際的な食品(衛生)規格(Codex):”一般的衛生管理事項”を作っています。


正式には「コーデックス・アリメンタリウス・コミッション」(Codex Alimentarius Commission)と言い、CACと略称されています。


既にCACは、Codex(国際食品基準)として(1)基本となる文書(2)HACCPガイドライン(3)HACCP評価ガイドライン(4)リスクアセスメント・ガイドラインを公表しています。(CODEXのサイト上で、国内の代表者連絡先が公開されています。

2007年3月2日金曜日

本命のHACCPブーム本格化

食の安全・安心ブーム


今後、いよいよ本命の「HACCPブーム」が本格的になってゆく背景・理由が整ってきました。この点で大手企業は目ざとくこのブームを先取りし、優位に自己事業に取り入れるべく、「HACCP提案」の発信をメディアを有効活用して繰り返し、自己の「HACCP事業」を新規開拓し、発展させて行っています。

その最たる事例が、東京海上日動や、大和ハウスです。

大和ハウスの試算では、「HACCP市場」は、約2兆円規模と見積もっていました。最新の2007年2月26日の日経流通新聞には、この大和ハウスのヤル気と意気込みを感じさせる、大々的な「HACCP啓蒙」広告が掲載されていました。その要点は下記の通りです。


  1. 当協会のように、中小企業の予算に応じて、段階的な「3S-HACCP」を志向しており、自社基準等のマニュアル作り等のソフトを重視する。

  2. 食品衛生の基本である、7S(整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・しつけ・清潔)を徹底することから始めて、HACCPまで高めて行く。
    因みに、仕事の基礎として、5S:整理・整頓・清掃・清潔・躾が最近再び注目されており、上記の7Sには、この5Sに洗浄+殺菌が加わっている。

  3. 経営トップが率先することが、HACCP成功の条件となっている。加えて、施設よりも人を重視したマネジメントとする。

これって、正に当協会が提供する「3S-HACCP」そのものです。当協会では既に第三者認証の実績があるので、先駆者有利のビジネス法則がますます働きます。最近、某大手食品計測機器メーカーの販売会社の中九州支店から、当協会に実績があると言うことで、同社の製品納入先の工場で「3S-HACCP」(商標登録済)認証についてのご相談がありました。

今後本命の「HACCPブーム」本格化に乗って、「3S-HACCP」認証及びHACCP中心のISO22000認証が盛んになって行くと思います。その予兆として、現在国内のみならず海外からも、当協会のウェブサイトへのアクセスが増加傾向にあります。

何れにしても、先発の東京海上日動や大和ハウスにしても、独自に「HACCP認証」が出来る訳ではない訳ですから、今後当協会のような零細・中小企業専用の「HACCP認証」機関に、自ずと注目が集まって行きます。そして、当協会には関係機関として、国際ISO認証機関IQS-JAPAN㈱が併設されているという強みもあります。

このような零細・中小企業専用の一貫した「HACCP認証」システムは日本中及び世界中にはありませんので(おそらく)、正に画期的なオンリーワンのシステムなのです。加えて、今後ますます注目されて行く、零細・中小企業等専用のIT統合「法務会計」(法務・会計・IT・マーケティング・マネジメントの統合活用)が、土台として、「安心・安全」基本保障となっています。



不二家の安全宣言


余談ですが、3月2日をもって、あの「不二家」社は、「食の安全」宣言を全国紙の新聞で公表しました。その根拠の一つに、米国産の「AIB食品安全管理」システムの導入を上げていましたが、日本農林水産省等は、「食の安全」予防対策として、国際基準のHACCPを中心としたISO22000の国際基準認証を奨励していますので、今後共、食品関連の中小企業では、やはり本命の我流ではない「HACCP第三者」認証が主流となって行きます。

従って、今回の「不二家」食品事件で学習した消費者は、更に賢くなりました。それで、「自主HACCP」や馴れ合い談合体質の「業界HACCP」に、更に不信感を持つようになっており、今後必然的に、外部監査を兼ねた信頼性のある第三者認証のHACCPが脚光を浴びることになります。