2007年11月28日水曜日

想定以上のHACCPブーム

今後、約4年前に想定していた以上のHACCPブームになりそうです。

一時期はトレーサビリティで終始した食品生産・販売問題解決法でしたが、今年に入って、中国食品の衛生問題と日本の中小企業の食品衛生問題と表示問題が重複して社会問題化、すなわち倫理・法令問題化することによって、堰を切ったように日本特有の中小企業が大半の食品業界横並び体質の偽装問題等が内部告発等で一気に暴露されてしまいました。正に青天の霹靂です。


さらに役者が揃ってきた


そして、追い討ちをかけるように、重い腰を上げて、関係監督官庁が一斉に食品生産・販売企業の立ち入り調査を開始しました。いずれ、関係監督官庁が統合化し効率よく統合摘発を開始するはずです。福田首相が力説していた「今後、行政は業界経営よりも国民生活を優先する」時代の幕開けとなります。

今までの日本での食品事故・経営事故の共通点は、経営規模に関係なく、食品衛生予防マネジメントのHACCPを中心にした、『「予測・戦略」・「実行・検証」・「改善・予防」』サイクルの戦略・予防法務に基づいた、経営「自己管理」マネジメントの仕組み経営になっていないことです。すなわち、個人飲食店並みの“税務会計”等に依存した、同族ワンマン「惰性経営」に甘んじていたことです。

そこで、ラーメンや明太子等よりも、「船場吉兆」食品・経営事故事件で有名になった福岡市では、吉田市長の肝いりで、同市内の食品業者1,500社と大規模店50箇所を、「偽装表示」問題について、11月20日から、一斉立ち入り調査し始めました。同市長は「市民の食の安全をしっかり守るために、強制力のある捜査に近い形で厳しく調査する」と豪語しています。今までと違って、食品・経営事故で中小企業の経営者が逮捕される時代になったことを反映した強気の発言です。確かに脱税でも中小企業の経営者が逮捕されることは、ほぼ皆無でした。

既に食品衛生予防マネジメントの国際基準HACCPでは、HACCP文書としての「食品の記述及び意図される使用方法」において、認証審査対象の食品・品目について、現状分析し、適法で食品衛生予防的表示方法を検討するようになっています。尚、ISO認証審査は事業所単位ですが、HACCP認証審査は、食品・品目単位となっています。食品表示等の関係からそうなっている訳です。

それから、食材購入から生産過程、そして流通・販売まで一貫して食品衛生予防マネジメントが経営「自己管理」マネジメントとして日々実践出来ていて、始めて消費者や取引先に対して、自己が提供する食品の「品質・安全」保障表示について、自信を持って実行できる訳です。これこそ真の企業ブランド戦略であり、本物の「品質・安全」保障経営なのです。

以上のことから、約4年前に当初想定した以上に中小食品生産・販売企業の多い業界において、後伸ばししてきた食品衛生・表示等「品質・安全」保障問題改善対策として、本命のHACCPマネジメントのブームがやっと到来したと言うことです。それも本格的な消費者本位の中小企業専用の簡易「3S-HACCP」(当協会第三者認証)時代が到来したと言うことです。

2007年11月9日金曜日

食品経営事故・事件の体質

あらわになった体質


3~4年前から、当協会では今日の未曾有の一連の食品経営事故・事件を予見し、デパート・スーパーや中小食品製造・販売企業の経営者・経営幹部に対し、執拗に食品衛生管理・予防戦略マネジメントのHACCPの必要性について力説してきました。

しかし、当時から伝統的に価格競争中心の経営に終始していた「惰性経営」等の弊害による、食材・食品の本物「品質・安全」保障を軽視し、犠牲にする業界の横並びの根深い慢性的偽装・隠蔽体質・体制が、本物「品質・安全」保障ニーズに沿った、一連の内部告発等によって、やっと今になって暴露されてしまいました。

これら一連の食品経営事故・事件の本質は、すなわち問題の根源は、業界の伝統的な横並び偽装・隠蔽体質・体制とその悪しき慣行に追従し、甘んじてきた中小食品製造・販売企業の経営者の安易な惰性的経営姿勢です。この古き経営体質・体制を根本的に是正するには、IT統合「法務会計」実務(統合法務・IT・会計・マーケティング・マネジメントの統合活用)を土台とした、HACCPマネジメント・システムしかありません。このオンリーワンの正当な主張こそ、当協会の存在理由であり、オンリーワンの存在価値となってきました。



IT統合「法務会計」実務の指導・支援理念の一部となっている「善悪の法則・原則」から、現在進行中の一連の老舗中小食品企業に係わる食品経営事故・事件において言えることは、消費者が加工食品の「品質・安全」保障を唯一確認で出来る食品表示について、偽装・隠蔽が継続的に根深く実行されて来たことの背景には、もっと大切な食品衛生予防管理マネジメントについては、隠れた重大な問題が潜在している恐れが十分にあると言うことです。

今後この本質的な問題が、より疑心暗鬼となっている敏感な消費者と消費者に直接関係している流通業界・業者やマスコミそして監督官庁から今まで以上に問題視されて行きます。その結果今後、正に関係中小企業・経営の死活問題となって行きます。今までの旧態依然とした“税務会計”等に依存してきた経営のツケです。その影響で、福岡では老舗デパートの岩田屋では、吉兆食品偽装問題を是正すべく、食品売り場(デパ地下)の食品衛生管理の強化を始めました。


見落とされがちな、HACCP本来の価値


現在問題となっている「食品表示」問題は、食品の「品質・安全」保障の入口・出口問題です。そして更に本質的に重要な問題である、その中間問題こそ食材・食品製造プロセス問題であり、正にHACCPそのものなのです。因みに、「食品表示」問題となっている、「消費期限」は、購入者が安心して美味しく食べられる期限を示すもので、製造日から約5日間を目安としており、他方「賞味期限」は、製造日から品質が劣化しない「品質・安全」期限を示すものです。

従って、厚生労働省管轄の食品衛生法では、1995年から全ての食品に製造日の表示を義務付けしていません。しかし、農林水産省管轄のJAS法(農林物質の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)では、「消費期限」又は「賞味期限」のどちらかを企業が選択して、消費者に表示すれば良いことになっています。

しかし現在、両省のガイドラインでは、「消費期限」及び「賞味期限」につて、微生物(菌数)試験や複数の人に試食等による官能検査による科学的・客観的なデータに基づいた知見より短く算出することを奨励しています。正に科学的・客観的データ管理を重視するHACCPそのものです。

ですから、現在問題となっている「食の安全・安心」判断材料としての「消費期限」と「賞味期限」は、当然のこととして、全従業員の食品衛生モラルと当該食材の使用過程並びに食品の製造過程における食品衛生管理マネジメントに左右され依存することになります。現場職人の長年の勘等に依存した食品衛生管理であれば、不安定であり、菌数管理等がいい加減となって行きますので、大切な「消費期限」や「賞味期限」の信頼性のある「品質・安全」保障の判断材料とはなりません。今後正に偽装表示の「消費期限」や「賞味期限」と比べて致命的な本命の本質的な経営事故・事件問題となって行きます。

それから、偽装表示は、直接的には食品衛生法・JAS法違反であり、且つ「不当表示」問題でもあるので、景品表示法・不正競争防止法違反ともなります。そして悪質な偽装表示問題であれば、刑法の詐欺罪が適用されます。更に追い討ちをかけるように、民事的経営管理責任が当該経営者に対し情け容赦無く追求されます。

それで、食品・経営事故は、本当に恐ろしい倫理・法的・社会的な本質的経営者責任問題を含んでいますので、経営資源と経営体力の弱い中小食品企業ほど、コンプライアンスなIT「自己管理」マネジメントを重視している、人間中心の進歩的IT統合「法務会計」実務を土台とした、オンリーワンの消費者本位・中小企業専用の簡易「3S-HACCP」(第三者の公正中立なNPO法人審査・認証)が必要不可欠な、経営環境時代になったと言うことです。

折りしも、食品衛生・表示問題の絶えない全国和菓子協会では、横並びに業界の古いマイナス・イメージを払拭すべく、全国の加盟和菓子店等の約3千社へ、異例の法令遵守を徹底させる通知を送達しました。この通知において、上記の監督官庁の定めたガイドラインに沿って、HACCP科学的な根拠に基づいた期限表示に改め、併せて社内規則の直しを要請しています。正にHACCPマネジメントの必要性を認めた発言です。今後この発言が中小食品製造・販売企業に大きな影響を与えて行くことでしょう。

2007年10月15日月曜日

中小企業にこそHACCP

日本には江戸時代以来、お上である監督官庁依存症により、余計な予防法務的リスク・マネジメントをあえて事前に計画・実行しないと言う経営文化風土があります。つまり、思わぬ経営事故が生じてから考え、演出的に対策を行えば良いと言うものでした。

しかし、社会的・法的経営環境が「大異変」している現在、上記の従来手法の旧態依然とした「惰性経営」で、今後本当に地域社会で「生き残り」繁栄出来るオンリーワンの魅力的な存在価値のある中小企業となれるのでしょうか・・・?

現在は「食の安心・安全」保障を経営担保する手法として、トレーサビリティや食品・食材表示で終始しています。しかし本当にこれで、社会的・法的に「品質・安全」保障責任要求を経営現場において、問題なく且つ問題予防的に果たして行けるのでしょうか?加えて、経営の生命線となっている「売上・利益」改善・向上に資するマーケティング・マネジメントとなるのでしょうか・・・?

この点で、全ての食材・食品の生産・製造・販売に係わる中小企業の経営者は、社運をかけて全社一体・一丸となった、「生き残り」繁栄の待った無しの「経営革新」戦略を系統だって、計画的に実行して行かなければなりません。そのもっともな理由とは下記の通りです。



  1. 現在、日本・中国・韓国において、繁栄している食材・食品関係の中小企業は、国際基準のHACCP認証を積極活用して、国内外での売上と利益を確実に伸ばしている。

  2. ダスキンの食品事故の場合、ダスキン社の経営者が率先して、適正に下請食品工場での食品衛生管理マネジメントを全社一丸となって指導・支援していたことを立証できたので、関連取引先からの営業保障以外の民事上の高額な損害賠償責任を法的に免責された。

  3. 但し、当該営業保障について、同社に対し損害を与えたとして、関係担当取締役に「善管注意義務」違反を根拠に、特定株主から株主代表訴訟を提訴され、約53億円4千万円の損害賠償金を容認する判決が、大阪高裁で言い渡されている。(上告中)

  4. 不二家の場合は現在、既に営業保障をしていた代理店舗側から、同社の杜撰な食品衛生管理体制による「債務不履行」(「品質・安全」保障体制による食品提供の法的不履行違反)の民事訴訟を提訴されている。

  5. 今後、経営者責任を一層追求する強行法規等の摘発・取締が強化されて行くので、食材・食品業界の大半を占める中小企業ほど、経営資源が少なく経営体力も弱いので、今後関係取引先との取引減や停止、そして地域消費者からの買え控え等によって、空前の経営不振・倒産を被る経営危機を迎える。正に経営の死活問題に至る中小企業受難の「大異変」時代となる。

  6. 上記と関連・連鎖して、関係取引先・監督官庁・消費者・マスコミは、今まで以上に食材・食品の表示並びにトレーサビリティの根拠となっている、生産・製造工場等での「食品衛生管理」マネジメント体制の実効性を重視することになる。

  7.  因みに、食材生産の元締めである農林水産省は、今後食品の安全性を確保するために、当該食品に関係した食材の原材料表示を義務付けるべく、JAS法改正を検討している。そうなれば、今まで以上に、原材料・食材段階での「品質・安全」保障体制の実効性が、継続的な取引条件として、又持続的な市場参加資格として関係中小企業に厳しく、問われることになる。

    そして、その影響として、現在アジア共通の食品の「品質・安全」保障基準の策定が準備され始めている。また、食材・食品の「品質・安全」保障重視の消費者及び監督官庁の法規制強化を反映して、現在コンビニやスーパー等の流通市場において、中国産食材・食品の売れ行きが減少している。

正に予測通りに、食材・食品関係の中小企業こそ、健康的で美味しい安全な「食材・食品衛生管理」マネジメントの基本である国際基準のHACCP等が市場・業界において、「生き残り」繁栄出来る、絶えざる「経営革新」戦略として、必要不可欠な「大異変」時代になっていると言うことです。

2007年8月24日金曜日

「白い恋人」食品事故

ダスキン・不二家・ミートホープに加えて、ダメ押し的に今回の「白い恋人」の食品事件、すなわち石屋製菓「経営事故」事件が発覚しました。この事件も、或る日突然の「内部告発」メールで、青天の霹靂のごとく始まりました。正に一夜にして「黒い恋人」になった次第です。


防げたはずのミス


今回の事件も、現場任せの時流を無視した「惰性経営」等による典型的な「経営事故」事件でした。今までの一連の「食品事故」事件に無頓着な経営体質・体制を見事に露呈した、今後中小企業において、引き続き起こり得る「経営事故」事件です。ですので、政治・経済は二流で、経営(経営者)は三流と言う揶揄が笑えない状況なのです。

HACCP的には、人間が一番リスクのある存在で、(1)まず食中毒の保菌者であり感染者です。そして(2)機械等にはないモラルハザードやうっかりミスを起こしてしまいます。ですので、これらの危害が甚大な被害とならないよう
に、予防コントロールするには、やはり従業員の継続的な教育や「食品事故」予防の人間を中心としたマネジメント・システムが必要不可欠なのです。

そして、そのシステムの油断の無いPDCAが不可欠です。そのためには、当協会のような消費者保護視点の公正中立な第三者の「3S-HACCP」(食品製造・販売の品質・安全保障)認証と継続的な緊張感のある外部チェック体制が必要不可欠です。

しかしながら、依然として日本では、大中食品製造・販売企業を中心に、設備等中心の固定的な現場職人任せの惰性的な食品衛生体制になっていることです。そして、食品衛生予防体制「HACCPマネジメント」システムの本質と必要性が、依然として、経営トップ並びに現場責任者等において、十分に良く理解されていないことです。

昨年から今年にかけて堰を切ったように生じている、一連の氷山に一角に過ぎない、「食品事故」事件が、肝心な「経営マネジメン」システムに隠れた問題と深く関係していることに、いつ経営トップは気が付くのでしょうか?
しかし、中小企業の場合には、「食品事故」で気がついた時には、手遅れとなっていますが・・・。

何れにしても、今回の「食品事故」事件も、一旦は社長が事件関与を否定しましたが、例外なく社長も含む会社ぐるみの消費者を欺く悪質な事件となるでしょう。またも、食品製造・販売企業の経営者としての失態とプロ経営者の資格のなさを露呈した「経営事故」事件でした。さらに唖然とさせられるのは、このような経営者がミートホープ社長同様に国等から表彰されて、地域社会を代表し、地域社会での横並びの次期経営者の育成等にあたっているということです。

そして、更に消費者へのマイナス印象と悪感情を与えたのは、事後(事故)対応の顧問弁護士らしき人物が今になって指図し、消費者に対し正直に申し開きすべき社長自身が胡散臭く、他人事のように消費者向けの記者会見を行っていたことです。消費者にしてみれば、わざわざ顧問弁護士が同席しなければいけないほど、何か社長が偽装し隠蔽しているに違いないと思わざるを得ません。

既に内部告発で会社の一連の不祥事は暴露され、加えて顧問弁護士等では今までの隠蔽体制が一向に改善されていないのに、今になってあえて顧問弁護等を活用して公然と偽装隠蔽体質を隠そうとしても、そのような稚拙な欠格(欠陥)経営者のワンマン姿勢・体質を賢い消費者は見抜いています。小手先の偽装工作で誤魔化すことはできません。これではむしろ逆効果です。

そしてマスコミ報道や消費者のITくちコミ等による風評被害を更に拡大させるだけです。今回の対応の悪さが、同社の長年築いてきた信用を一気に失墜させ、且つ危機意識と危機管理の希薄な社長は、辞任することを公約する羽目になり、そうなりました。何れにしても、今後HACCPマネジメントへの取り組み如何が、中小食品製造・販売企業の命運、すなわち生死を鮮明にして行くことになります。昨年から今年の一連の「食品事故」(経営事故)事件によって、その危機認識が当該業界に漸く浸透し始めたようです。

2007年8月16日木曜日

不二家・ミートホープ事件の学習効果

これまで、不二家事件・ミートホープ事件、加えて中国の一連の信じがたい「食品事故」事件で日本の消費者は今まで以上に、「食の品質・安全」について生きた教訓を学習しています。それでその効果として、食材・食品製造業界そして食材・食品販売業界において、現在進取の気性のある中小企業が、“先手必勝”戦略として、競って真剣に「食の品質・安全」予防・戦略対策を迷わずに先行投資しています。

特に日本の食料基地となっています九州でその傾向は色濃く表れています。例えば、福岡市の地場製粉製造企業の経営幹部は「今のままで十分安全じゃないか、と言っていたら負け」と断言し、1億円の異物混入防止の設備投資を行ない、地場ラーメン店等の専門業者等へ積極的な営業攻勢をかけて、新規顧客として50件を開拓確保出来ました。正にリスク・マネジメント以上のマーケティング戦略です。

このように、4年前の予想通り今後ますます、消費者の食品に関する「品質・安全」保障要求が強くなって行きます。それで、従来の現状維持の経営に甘んじていると、以下のような流れになってしまうでしょう。




・突然の「食品事故」によって、または従業員の内部告発によって、経営不振に。
                  ↓
・HACCP認証を取得した同業他社から取引先を奪われる。




上記に加え、生協や大手スーパー等から継続取引条件として、HACCPマネジメント認証を要求され、1年以内に応じることができずに、即取引停止となるケースも考えられます。

先行投資を惜しむ優柔不断な現状維持「惰性経営」は、今後確実に大敗し、消滅して行きます。本当に食の「品質・安全」保障は、食材・食品製造・販売業界において、「生き残り」繁栄の「経営革新」戦略課題なのです。因みに、日本の食料基地の九州では、食品製造業の出荷割合は、九州製造業全体の約2割で、九州のリーディング基幹産業となっていますので、今後業界での「生き残り」繁栄の「経営革新」戦略として、当協会の「3S-HACCP」(食品の「品質・安全」保障マネジメント・システム)認証活用が、必要不可欠となって行きます。


HACCPマネジメントが必要なその他の場所


それから、今後医療法人の兼業として有料老人ホーム等が可能となって行きます。当然、高齢者は食中毒等に感染しやすいので、病院と併せて老人ホームに、今後HACCPマネジメントが不可欠となって行きます。加えて保育所・幼稚園においても、HACCPマネジメントが不可欠となって行きます。

なぜなら、以前と比べて、幼児や小児は高齢者と一緒で、食中毒等に感染しやすい健康状態にあるからです。因みに、今年に入って、O-157等による食中毒が急増しているからです。今後この傾向は更に増加すると予測しています。

例えば、大阪で8月6日に、無認可保育所でゼロ歳から5歳までの園児5人が、O-157に感染し、うち3歳の女児が死亡しました。先に北九州で同じ無許可保育所の園児が送迎用の車中に置き去りされて熱中症で死亡した事件のように、幼児や小児の場合は遺失利益が高額なので、まずその民事損害賠償と刑事責任で行き成り経営倒産します。当然、中小企業の経営者は自己破産です。あのミートホープ社の場合がそうでした。正に油断大敵です。

ですので最悪の場合、被害者・遺族家族は泣き寝入り状態となります。従って、利用者の予防・防衛手段として、その経営が「品質・安全」保障マネジメントになっているのか確認する必要があります。それから、万が一の場合に、被害補償が出来るように、経営が黒字の健全状態にあるのか・・・も確認する必要があります。因みに、改正医療法等で、全ての医療法人は、平成19年4月以降から、医療業務と会計・決算について、監査を受けて、当該決算資料等を一般公開することになっています。患者やその家族は入院する前に、医療経営状況を調べて相応しい病院を選択する時代になって行きます。

ですので、現在老人ホーム・保育所・幼稚園等へ給食サービスを行っている中小企業においても、「食品事故」予防法務対策そして「食の品質・安全」保障対策、更に自社経営の安全予防装置として、当協会の「3S-HACCP」認証活用が必要不可欠となって行きます。そうすることが、賢い消費者や良い関係取引先等から持続して選択される、企業経営戦略となるからです。因みに、「3S-HACCP」認証は、消費者保護の立場に立って、「食の品質・安全」保障マネジメント体制及び健全経営マネジメント体制について審査しています。

2007年7月13日金曜日

3S-HACCPマークの雑誌掲載について

現在主に主婦の間で人気のある、料理関係全国版・月刊雑誌の「レタスクラブ」の別冊最新保存版において、当協会の「3S-HACCP」認証マークが紹介される予定です。

一連の食品事故で、特に主婦を中心とした消費者の間で、「食の安全・安心」が年金問題と並んで関心事となっています。今回の雑誌掲載によって、賢い消費者が、この公正中立で消費者本位のNPO法人認証のマーク表示を、「安全・安心」判断材料として重視して行くことになるでしょう。

食品の本物「品質・安全」保障対策

不二家事件と、前代未聞のミートポープ社と加ト吉社の「食品・経営事故」事件で、「食の安全・安心」を犠牲にした経営トップとその「惰性経営」(手抜き誤魔化し経営)について、消費者・マーケット・マスコミ・監督官庁が揃って問題視していることことが、以前にもまして明白になってきています。


一連の「食品事故」事件が、食品製造・販売等業界に与える影響


姉歯建築構造計算偽装事件に始まった偽装国家への仲間入りを果たした日本において、司法サイドは以前にもまして、経営規模・業種に関係無く、事業者保護ではない、消費者への保護安全対策としての「経営管理」(経営者)マネジメント(瑕疵)責任を重視した判決傾向となっています。例えば、安全対策を不十分にして販売したマンション販売会社の瑕疵損害賠償責任を、換言すれば、販売会社の「安全管理」責任を、最高裁が認定しました。

ですので、今後特に「食の安全」対策として、中小企業・経営者が、安全関係法令要求及び消費者の安全期待要求等を無視することは、会社経営の命取りとなります。要するに、倫理法則に従って、まいた種を刈り取ることになります。正に現代経営は、人間学・法律学・倫理学なのです。

しかし、「食の安全」が消費者から声高に叫ばれても、一向に中小企業の多い食品製造・販売業界では、依然として食品・本物「品質・安全」保障体制創りには消極的であり、手付かずの旧態依然とした状態です。しかし、今回のミートポープ社と加ト吉社の食品「品質・安全」保障“欠落事故”事件は、今でにない空前絶後の規模・内容の影響を、現在消費者・監督官庁・関係業界へ与え始めています。

例えば、今回の影響で、今まで見過ごされてきた中国産の農産物や加工食品等について、消費者や購入事業者等が積極的にチェックし始めています。食品等の本物「品質・安全」保障状態についてチェックし、疑わしきは購入・消費しない決定が一層強まっています。そして、全国各地の監督官庁は、食肉小売店に対して異例ともいえる、事前連絡無しの抜き打ち検査を行い始めました。その内、総菜や弁当等についても、抜き打ち検査が始まると考えています。加えて、食品関係業者間の食材取引についても、JAS法を改正して、原産地等表示を義務付けるべく、その準備が農林水産省で始まっているようです。

そして、消費者に最も近く、消費者ニーズに一番敏感な食品関係の小売業への最新調査では、主な「食の安全・安心」対策として以下のように結果がまとめられています。



  1. 社内の衛生管理基準を改善する(67.4%)

  2. 問題ある企業との取引を中止する(59.7%)

  3. 社内の商品検査体制を強化する(56.%)


上記の点から、流通業の方が「HACCPマネジメント」に熱心であることが理解出来ます。今まで待ちの姿勢でHACCPに消極的であった中小食品製造・販売企業も、消費者・流通業・マスコミ・監督官庁の圧力で、いよいよ食品衛生予防・戦略のHACCPを無視できなくなりました。


今後、中小食品製造・販売企業にとって、一番恐ろしい不測の事態とは


今後、中小食品生産・販売事業者にとって一番怖い不測の事態はどういったものでしょうか?



  1. 購入消費者の監督官庁への苦情等による、抜き打ち検査による食品問題の発覚とその公表による甚大な風評等被害

  2. 大手・大口取引先からの継続取引条件として、食品・本物「品質・安全」保障の「食の安全・安心」を優先した「HACCPマネジメント」認証を要求され、1年以内に迅速に応じられないために、取引停止事態による「売上・利益」損失被害

  3. パート等従業員による、監督官庁や報道機関への内部告発による、行政処分・刑事処分・風評等社会制裁の甚大な被害...


上記に加えて、必要に応じて関係取引先への民事上の損害賠償責任が生じます。

今でのように業界横並びや旧態依然とした「惰性経営」に甘んじていますと、上記の待った無しの怖い不測事態に行き成り遭遇し、経営の息の根が止められて、「経営突然死」を迎えることになります。あのミートホープ社は問題発覚後、1週間以内に事実上の経営倒産となってしまいました。ですので、消費者本位の食品・本物「品質・安全」保障への取り組みとして、非営利の当協会認証の簡易「3S-HACCP」(食品「品質・安全」保障マネジメント・システム)を一日も早く導入の準備を、出来ることから開始することです。

そうしなければ、手遅れとなります。加えて、中小企業専用の本当のHACCP指導・専門家が日本には少ないからです。ですので、遅くなればなるほど、悪質な経営コンサルタントの餌食になる恐れがあると言うことです。既に食品に係わるISO9001認証において、被害中小企業が依然として存在しているからです。そして、中小企業専用の「3S-HACCP」(食品・本物「品質・安全」保障マネジメント・システム)認証は、日本では当協会のみだからです。


当協会認証の中小企業専用「3S-HACCP」認証活用は、「生き残り」繁栄の「経営革新」戦略


従って、一歩いち早くオンリーワンの中小企業専用「3S-HACCP」を認証活用すれば、惰性の法則で慢性化していた食品衛生に対するレベルが、消費者レベルへの意識改革が可能となって行きます。次に経営者と全従業員が同じベクトルの食品・本物「品質・安全」意識共有状態となって行きますので、当然持続して、想定消費者市場での市場競争力を改善し、向上させて行くことが出来ます。
そして、その結果、オンリーワンの一人勝ち(独自価値)の絶えざる「経営革新」戦略が、全社一丸となった「生き残り」繁栄の『経営「品質・安全」保障マネジメント』システムとして可能となって行き、企業風土・体質体制等として定着して行きます。

すなわち、想定市場において、「品質・安全」に裏打ちされた最強のオンリーワンのロングラン・ヒットの「商品・サービス」創りが、持続して可能となり、実現して行ける経営環境を構築できるからです。ですので今後、本物「品質・安全」保障要求の賢い消費者を固定客化して行くには、ますます「食の安全・安心」を優先した「HACCPマネジメント」システムの第三者認証「3S-HACCP」(食品の「品質・安全」保障マネジメント・システム)を避けて通ることは出来ない訳です。

今回の前代未聞のミートポープ社と加ト吉社の「食品・経営事故」事件は、そのことを我々に強く教えている次第です。加えて、不二家社の「食品・経営事故」事件は、ISO9001では、今後「食の安全・安心」を保障できない教訓を我々に教えていました。

今までの横並び談合体質の業界団体認定表示やいい加減な自主表示では、悪質で巧妙な食品衛生に係わる偽装又は不良表示を、消費者は簡単に見抜くことが出来ません。

正に当職の4年前の予想通りの展開であり、今年初めに予告した「大異変」は、食品業界でも例外無く始まっている次第です。加えて、景気拡大の中で空前の増収増益を謳歌している大中企業とは正反対に、現在中小・零細企業の倒産が急増しています。その主な原因は、当職の予測を立証するように、旧態依然とした“税務会計”等依存経営による、コンプライアンスを含む統合「経営管理」マネジメントの欠落・欠如です。今後ますますこの種のニュータイプの未曾有の経営倒産が、特に「医食住」関係業種で急増すると考えています。ですので、今こそ良くなりたい、又は更に良くなりたい中小企業等は、今後「生き残り」繁栄「経営革新」戦略として、オンリーワンの進歩系IT統合「法務会計」等を積極的に活用すべき、「大異変」時代なのです。

2007年7月4日水曜日

食品事故で生じる負の連鎖反応

嘆かわしい現状


当協会では、消費者と食品等業界の中小企業の支援・認証NPO法人として、食品等業界が食品衛生予防・「HACCPマネジメント」以前の状態にあることを、繰り返しセミナーなどで警鐘を鳴らしてきました。しかし残念なことに、監督官庁の行政規制強化がないことに加えて、予算・人財不足等を理由に今でも、業界全体が「HACCPマネジメント」導入・活用に消極的です。

しかしながら、今まで隠されてきた、或いは放置されてきた中小食品等業界の実態をあぶり出す、ミートホープ社食品事故事件及び経営事故事件が突然に発覚しました。


この事件は、監督官庁へ内部告発されてから約1年半放置されていたものです。(年金問題はそれ以上です)正に、法治ではなく放置国家状態でした。ですので今後、コンプライアンスは、まず政治家と官僚そして我々士業と経営者から行わなければなりません。

案の定、ミートホープ社(肉の希望社)は、複合問題の発覚後、1週間以内に経営倒産しました。可愛いそうなのは、追従してきた従業員と関係取引先です。この場合、清算手続きでは、税金と従業員の給与等が優先して支払われますので、たぶん関係取引先は、ほとんど泣き寝入り状態でしょう・・・。従って、今後連鎖倒産もありえます。正にオンリーワンの進歩系IT統合「法務会計」で力説している「善悪の法則」そのものです。

問題だらけのミートホープ社は、その会社名に反して、全く希望のない状態となってしまいました。今後刑事裁判と会社の経営責任を問う、そして社長の個人財産まで及ぶ損害賠償・民事裁判に発展し、最悪の場合には、この経営者一族は、自己破産しホームレス状態になる恐れがあります。現実と問題を甘くみた代償です。でも問題経営者には、プライドが邪魔して一会社員になることは無理でしょうし、かと言って、この国は、問題経営者に再度挑戦させるような甘い経営環境ではありません。ですので、関与していた士業にも共同責任があるはずです。


教訓が生かされていない?


さらに問題なのは、今回の食品事故について、当該社長が6月27日に「産地偽装は食肉業界で広く行われている」と爆弾発言をしたことです。すなわち、雪印・ダスキン・不二家等の一連の食品・経営事故は、中小食品等企業では、依然として活かすべき“生きた教訓”になっていないと言うことです。その証拠に、51年前に創業し、一代で急成長した冷凍食品製造・販売の優等生の「加ト吉」社は、同族「ワンマン経営」弊害が一気に裏目に出て不正取引等が発覚し、現在170億円の損失計上で瀕死の経営状態です。そして、今回のミートポープ社との悪しき問題が暗い影を落としています。

でも今後監督官庁は、この実態についての監督責任を、食の「品質・安全」を重視している消費者から、厳しく問われることになります。その結果、今後食品衛生法や食材表示の規制法となっているJAS法の規制強化が始まります。既に食品不安全の汚名を返上すべく、現在中国当局は、今後オリンピックが開催される北京市内で、全ての飲食店の食品衛生検査とランク付けの改善強化を始めました。(以前から部分的に実施されていた)

今回の信じられないミートホープ社の常習的確信犯の「食品事故」事件で、共犯者の嫌疑(行政不作為)で消費者から責められている、監督官庁・農林水産省は、この怒りに満ちた国民の批判に応えるべく、6月28日付けで、各全国の食肉業者が、早急にコンプライアンスな「内部統制」(「自己管理」マネジメント)システムの取り組み状況について報告する旨を通達しました。何れこのような行政指導は、全ての中小食品製造・販売業者にも及ぶはずです。


事故から始まる負の連鎖


日本での食品事故と経営事故に関係している主な法令は、食品衛生法・JAS法・不正競争防止法・製造物責任法(PL法)です。そして、第二の法令となっている判例があります。例えば、「経営管理」(経営者)マネジメント責任を問う、「善管注意義務」や「安全注意義務」等です。加えて、今後無視出来ないのが、不文律(社会通念)の消費者・マーケット法ともいえる本物「品質・安全」保障要求です。

このマーケット法・要求を無視すると、何か食品事故の問題が一旦発覚すると、一気に連鎖が始まります。


  1. メディアによる報道

  2. 消費者からの風評被害を含めた社会制裁

  3. 消費者に敏感な流通業界から問題食品の排除

  4. 回収に膨大な時間と費用を費やす

  5. 追い討ちをかけるように、行政処分

  6. 刑事責任と民事責任が追求

  7. 裁判での、非生産的な多大の時間と費用

これらが、現在進行中の「食品事故」問題から生じる真の致命的連鎖「経営事故」問題であり、行政命令を含めて全て事故処理システムになっていますので、従来の事故(事後)対応では手遅れとなります。ですので、これら連鎖問題の本質を良く熟知して、現場任せにしない「戦略・予防」重視の「危機管理」意識をもって、中小企業での食品製造・販売の経営を今後行って行かなければなりません。そうしなければ、第二・第三の「ミートホープ社」が登場し、地域社会を翻弄させることになります。


アジアHACCP協会にできること


この点で当協会は微力ながら、食品製造・販売等の中小企業と地域貢献に資することを目的として、今問題となっている拝金的営利を排すべく、あえて公正中立な第三者のNPO法人形態認証に拘っている次第です。何れにしても、今まで本物「品質・安全」保障を無視し、犠牲にしてきた或いは偽装してきた業界ほど、2年先に上場企業とその関連企業にも義務付けられて行く社内「内部統制」(「自己管理」マネジメント)状況報告義務の「大異変」影響で、本当に「生き残り」繁栄できる企業に淘汰されて行きます。ですので、旧態依然とした現状維持の「惰性経営」では、今後確実に退廃(大敗)します。

そして、改正医療法や改正建設業法・大改正経営事項審査等によって、「医食住」の中の、医と住についても、例外なく「品質・安全」保障を法的に求めて行きます。既にいち早く先行投資した、食品衛生予防の「HACCPマネジメント」(高額な国際認証)と食育を「戦略・予防」経営革新戦略として、積極的に最大限、有効活用している福岡市の中小企業の弁当・幼稚園集団給食等事業者が、一日18,000食を提供するまでの一人勝ちの先駆的繁栄を謳歌しています。

尚、当協会は国際ISO認証機関と提携関係にありますので、簡易でコスト負担の軽い「3S-HACCP」(国際基準に準拠)を、随時割安で国際基準のISO22000へ移行することが出来ます。加えて、ISO9001認証をISO22000認証へ移行することも可能です。何れにしても、一日も早く差別化「戦略・予防」経営革新戦略として、「HACCPマネジメント」を導入・稼動させることです。今後旧態依然とした業界横並びは非常に危険です。

現在、九州で大変有名な「阿蘇ファームランド」では既に「3S-HACCP」認証を取得しおられ、中間審査を7月中旬までに受審する予定です。一方、福岡で有名な老舗の菓子メーカーが現在、当協会の「3S-HACCP」認証を取得すべく、こちらも鋭意準備中です。このように、最近当協会の中小企業専用のコスト負担の軽い、効果満点の独自な簡易「3S-HACCP」(画期的な食品「品質・安全」保障マネジメント・システム)が、一連の食品・経営事故と消費者の「品質・安全」保障要求等によって、現在注目されています。

2007年6月27日水曜日

最新総菜市場動向

最近、外食産業において来店客数や客単価が伸び悩んでいます。その主な原因は、今月から現実化した住民税アップ問題と年金・医療・介護等問題です。将来の生活不安を感じた消費者は、生活防衛策と抵抗策として、不必要な外食費を節約している訳です。今後の高齢化の本格化は、この傾向に拍車をかけて行きます。

そこで現在、善戦している飲食店等は、ハンバーガー等のファーストフード店や手作り和食店そして、ちょっと贅沢専門飲食店と総菜店です。この総菜市場については、今後更に拡大傾向にあります。因みに現在の市場規模は約7兆円です。
そして、今後の市場規模は、約8兆円前後を見込んでいます。尚、現在の総菜市場シェアは下記の通りです。



  1. 専門店等   :39.7%

  2. コンビニ   :26.3%

  3. 食料品スーパー:22.1%

  4. 総合ス-パー :11.7%

  5. 百貨店    :0.2%


意外と思った以上に、総菜売上シェアが少ないのが、デパートです。今後この有望な総菜市場で、成功して行くには、消費者ニーズの「品質・安全・健康」を如何に値段に見合ったものにするか、あるいは、それ以上に付加価値を付けて行くかです。折りしも、ミートホープ社等偽装食品製造・販売問題で、総菜業界のイメージダウンが一気に生じたことに加えて、高齢化等と総菜特有の持ち帰り(テイクアウト)による日持ちさせる食習慣傾向による「食品事故」防止策として、食品衛生予防のISO・HACCP等をどのように経済的に、オンリーワン・マーケット「品質・安全・健康」戦略等として、自社「経営マネジメント」に組み込み、如何に消費者に対しアピール出来るかです。

2007年6月25日月曜日

中小食品製造・販売業者の「生き残り」戦略

日本は依然として、中国よりも共産主義的行政規制大国であり、中小企業大国です。例外なく食品製造・販売業界も中小企業で成り立っています。しかしながら、経営資源の少ない中小企業ほど、オンリーワンの進歩系IT統合「法務会計」(統合法務・会計・IT・マーケティング・マネジメントの統合活用)やHACCP等を活用していないために、一層不安定でリスキーな経営状態となっています。

それで、何か従業員又は関係取引先が不祥事を一旦起こしてしまうと、取り返しにつかない「経営事故」又は「経営事故」連鎖の損害で、一気に「経営死」を迎えてしまいます。最近の不二家・コムスン・NOVA等の経営事故とその代償を検証していますが、中小企業等「経営・生活」の「統合顧問+代理人」として、身の引き締まる又身震いする思いがしています。当事者である経営者の皆様は尚更のことと思います。

先に5月中旬の立見席がでた、「HACCP等セミナー」において、中小食品製造・販売企業こそ、一日も早く、(1)マーケット戦略(2)「食品事故」予防戦略(3)「経営事故」予防法務戦略として、食品衛生予防「HACCPマネジメント」を絶えざる「経営革新」戦略として、導入活用する必要があることを力説しました。その根拠は、消費者ニーズを反映したマーケットにおいて、年々食の「品質・安全」保障要求が強くなっていることです。この傾向は、今回の不二家・食品事故と経営事故で立証されていますが、現在国際的に問題となっている中国産食材の危険性が更に拍車をかけています。


中小企業の明暗を分けるもの


ところで、食品製造・販売の民事上の「経営管理」責任問題で免責されたダスキンは、不二家とは違いました。なぜでしょうか? それは、普段からISO9001を「経営管理」マネジメントとして機能させていたことです。この点が不二家社とダスキン社の明暗を分けた次第です。そして今後、この「経営管理」マネジメント体制を、被害消費者の代理人・弁護士や消費者団体等そして監督官庁と報道機関が厳しく問題視して来ます。既に見せしめとして、不二家・コムスン・NOVAが反面教師及び生きた教材となっています。

ですから今後、中小企業といえども、「善管注意義務」としての「経営管理」マネジメントを無視することは、経営の命取りとなります。加えて、新法「労働契約法」等との関係で、従業員の「安全配慮義務」を怠ると、労働基準法等違反並びに民法上の損害賠償責任を負うことになるので、正に要注意です。そして、今回地元中小企業が製造し販売した「こんにゃくゼリー」を食した小児が窒息死した「食品事件」で、当該中小企業等は、遺族から製造物責任法(PL法)に基づく損害賠償の民事訴訟を提訴されました。この民事訴訟での争点は、食品事故を科学的に予見した上での食品事故予防策として、どれだけ普段から、真剣に同社の食品製造・販売体制を改善・予防してきたのか、ということです。

これがすなわち「善管注意義務」違反事案です。

加えて、同社の食品の販売表示について、子供を含む消費者に対し、どれだけ分かりやすく、消費者の立場にたって親切な仕方で「注意」を促す「警告表示」を改善してきたかです。正に経営者の「経営管理」姿勢とマネジメント体制が法的に厳しく問われることになります。ですので、従来の関係法令を無視した営利追求指導・支援の経営コンサルタントは、悪質の弁護士・公認会計士等と同様に、要注意です。意外と悪質経営コンサルタントの悪影響で、ISOやHACCPにマイナス・アレルギーを持っておられる中小企業・経営者が依然として少なくはないからです。

他方、税理士による節税等中心の“税務会計”では、肝心なHACCP等のマネジメントが欠落しており、一方弁護士の“訴訟法務”では、経営体力の少ない中小企業では手遅れです。ですので今後、中小企業こそ、オンリーワンの進歩系IT統合「法務会計」(統合法務・会計・IT・マーケティング・マネジメントの統合活用)+ISO9001・ISO22000・HACCPが、「生き残り」繁栄戦略として不可欠となっています。


中小企業の手本:「サークルKサンクス」


現在、食品業界は既にマ-ケット・ニーズとなっている「品質・安全・健康」保障をマーケティングに生かしています。オンリーワン的に付加価値のある、換言すれば、粗利率の高い、且つ消費者が満足出来る新規開発商品・サービスに反映すべく、熾烈なビジネス戦線を繰り広げているのです。そこで、中小企業として参考になるのが、コンビニ業界4位のサークルKサンクスの「生き残り」繁栄経営戦略です。主なポイントを下記にお知らせしておきます。



  1. 儲け頭だった弁当・飲料・酒類が伸び悩み、「売上・利益」貢献度が落ち込んでいる場合。
    その打開策として、店舗数増戦略ではない、今後マーケット・ニーズのある、且つ粗利益の高い、アイテム戦略として、米飯・総菜・から揚げ等のカウンター商品のメニュー構成比を上げる店舗販売戦略を試みる。

    そのために、手作りオリジナル・メニュー調理のカウンターを創設し、同時にオリジナル・メニュー商品を全国各店舗で販売できるように、工場を立て直す予定である。そうなれば、必ず食品衛生予防の「HACCPマネジメント」が必要不可欠となる。これら総菜商品が今後ヒットすれば、その分零細の飲食店・弁当事業者・スーパー・ファミレス等が影響を受けて行く。

    要するに、「品質・安全・健康」について、値段以上のオンリーワンの付加価値感、すなわち想定顧客への説得材料がない経営(店舗)は、今後安さだけでは、少子高齢化・価格過当競争・食品事故等によって衰退して行く。そうならためには、やはりオンリワンの進歩系IT統合「法務会計」+ISO・HACCPが不可欠となって行く。

  2. 今後の少子高齢化と地域性や価値多様化に沿って、全国一律の販売戦略を軌道修正すべく、全国の加盟店の地域性・顧客ニーズ等を考慮した、商品構成や価格設定を行う。

    今後地域性のある個性的な店舗が誕生して行くことになる。そうなれば、今まで以上に、地域に根ざした中小企業こそ、経営理念と経営方針などを明確にして、個性的な商品・サービス作りによりオンリーワンの、顧客と従業員双方にとって、魅力的な絶えざる「経営革新」が不可欠となって行く。決して、大手企業等の真似事を行わないこと。


最近ではローソンでも、時代変化と地域性を加味した、高齢者と女性ニーズ向けの「ナチュラルローソン」ニューブランド戦略を開始している。やはり、上場企業の強さは、マーケテイングとマネジメントの統合システムの統合力です。ですので、迎え撃つ地元中小企業には、「生き残り」繁栄「経営革新」戦略として、オンリーワンの進歩系IT統合「法務会計」+ISO・HACCPが必要不可欠となっている。


食肉偽装事件について


またもや唖然とする、消費者の食品の「品質・安全」に対する期待や信頼を裏切るコロッケ等「食品事件」が、加ト吉・子会社とその下請け・コロッケ工場で発覚しました。それも「品質・安全」保障をセールス・ポントにしていた生協へ一手に納入していたコロッケについて、長期に渡って、豚肉等なのに牛肉使用の偽装表示を行い、且つ不衛生な生産等があったようです。この会社の社長は、公的な創意工夫賞を受賞していましたが、食品製造で行ってはならい、とんでもない創意工夫を犯してしまいました。

あれだけ大騒ぎした不二家の「食品事故」を、同じ食品製造業者として見聞きして、「反面教師」として学習していながら、当事者の社長が他人事のように、あきれた「弁明記者」会見を行っていました。大なり小なり、大半の中小食品企業の現状と食品衛生などについてのレベル(意識)の低さを、更に浮き彫りした記者会見であり、お粗末な「食品事故」兼稚拙な「経営事故」事件です。

これは消費者を侮り、見下す背信行為であり、食品業界の首を自ら閉める自殺行為です。ですので、旧態依然とした現状維持の業界横並びでは、悪質業者と同類とみなされますので、今後悪質業者との差別化戦略として、HACCPマネジメントを一歩先んじて導入活用することが、確実な「生き残り」繁栄戦略となります。しかし、現行の不透明で身勝手な自主HACCPや、馴れ合い体質の業界HACCPでは、疑心暗鬼で怒り心頭している消費者を到底安心・納得さることは出来ません。

従って、今後どうしても、営利を追求しない、消費者の立場から審査する、公正中立な中小企業専用の、費用コスト等の負担が少ない、当協会による第三者認証の「3S-HACCP」を積極的に活用することが、「品質・安全」保障体質・体制として必要不可欠となって行きます。正に姑息ではない、正道のオンリーワンの「生き残り」繁栄戦略です。そして、既に経営が軌道にのっている中小企業では、更なる「ブランド価値」維持・向上戦略として、他方、新規市場に打って出る戦略として、簡易で段階的な「3S-HACCP」は効果的です。要するに、最小の費用で最大の「売上・利益」改善・向上効果を上げることが出来るからです。

2007年5月30日水曜日

食の消費動向

消費者動向の変化


日本経済のバブルが崩壊して、外食業界での店舗数は毎年激変しています。その中で善戦しているのが、ファーストフードやデパ地下食品売り場、そしてスーパーの食品売場などです。しかし、現在形成しつつあるシニア・シルバー巨大マーケットや少子化でのニーズを先取りすべく、外食業界では、無理な店舗数拡大よりも、新規メニュー開発と同時に、思い切った改装に絞り込んだ重点設備投資計画を実施し始めました。加えて、中食産業に新規参入すべく、健康食材・総菜等の宅配を開始しました。

他方、最近の高齢者の食品消費動向マーケティング調査で、その消費傾向が分かってきました。今後この下記のデータと地域性等を勘案し、加えて「食の安全・安心」ニーズと健康志向に対応した「食育」を兼ねた、食品アイテムの品揃えや新規食品開発等が、特に中小の食品製造業者・総菜業者・飲食店業者・カフェ業者・弁当販売業者等で急務となって行きます。なかでも下記の食品アイテムは、今後相当変化して行くことでしょう。


  1. 漬物・佃煮

  2. 加工水産(のり・昆布・かつお節等)

  3. 珍味

  4. スプレッド類(ジャム・ピザソース等)

  5. 練り製品(かまどこ・ちくわ等)

  6. 水物(豆腐・こんにゃく・納豆等)

  7. 農産乾物(ゴマ・干し椎茸・豆等)

  8. 食用油

  9. デザート・ヨーグルト

  10. 乳飲料

  11. 缶詰

  12. 嗜好飲料(コーヒー・お茶・紅茶)

  13. 粉類

  14. 果実飲料


今後期待できるマーケットは?


今後の品質・安全・健康志向等によって、シニア・シルバーマーケットでは、火気等の必要な食品や、保障が不透明な冷凍食品は敬遠されることでしょう。加えて住宅の修繕費・改装費等の住宅関連費用の増大によって、特に洋食系の外食は敬遠されて行きます。ですので、今後「品質・安全・健康」志向の団塊の世代を核として高齢化が加速して行くと、期待できるマーケットはどこなのでしょうか?それは、品質・安全・健康志向(予防医学・予防介護志向)を活かした、総菜屋や家庭宅配の食品・弁当マーケット等です。

そうなれば、細菌等に弱い高齢者にとって、自宅に持ち帰って、或いは自宅で、火気なしで、食する総菜・食品・弁当ほど、自宅で「食中毒」等の被害になる恐れが高くなるので、これらの分野こそ、旧態依然とした今流行りの「安全だろう」の食品衛生基準では、無防備であり、食品衛生予防の危機管理体制(食品衛生一般原則+関係法令+HACCPマネジメント)ではないので、或る日突然に高齢者の思わぬ「食品事故」又はあの不二家のように「内部告発」で、あっけなく「経営倒産死」を迎えることになります。

因みに、今後ますます日本国内外での共通したマーケット要求となって行く「食品安全」とは、国際基準のISO22000では

「食品が意図した用途に従って調理され、食される場合に、消費者に危害をもたらさない」

と言う意味です。そして、「食品安全ハザード」とは、「健康への悪影響をもたらす可能性がある食品中の生物的・化学的・物理的物質又は食品の状態」を意味します。

例えば最近、こんにゃくゼリーの食事で、高齢者と子供に「事故」が発生しています。ですので、今後全ての食産業等において無視・看過出来ない、「食品安全」と「食品安全ハザード」は、農産物等の食材から始まって、工場等での生産や流通・販売、そして消費者の食卓までを網羅したものである必要がある訳です。

現在「品質・安全」を無視した、旧態依然とした現状維持の「惰性経営」が、どんな結末を刈り取ることになるのかは、枚挙にいとまがありません。ですので、「品質・安全」保障は、今後マーケット戦略対策・食品事故予防対策・経営事故予防法務対策として、健康と生命に関係した食産業においてこそ、ますます必要不可欠となって行きます。

この「品質・安全」保障経営を一日でも怠り遅らせば、年金難民・IT難民・生活難民等のように、HACCP難民(経営者・従業員)となって、何れ「経営突然死」を迎えることになります。なぜなら、「品質・安全」保障について、油断している場合に限って、思ってもいなかった、又今まで経験しなかったような悲惨な「食品事故」と経営死に至る「経営事故」に遭遇するからです。

余談ですが、現在国際的に特に食品等の「品質・安全」保障が問題となっている、日本の食材(農産物)の大半を占めている中国の農産物の「品質・安全」保障を確保すべく、当協会として現在、中国農産物の一大産地・山東省の莱蕪市(人口約120万)と泰安市(人口約500万)の地元行政機関等と共同実験農場がありますので、そのどちらかの農場でアジア産地の“果実酵素”を使った、「品質・安全・健康」保障を目指した、画期的な国外初の、無農薬・農産物の自然農法のバイオ実験を行う準備を始めています。

尚、この画期的なバイオ自然農法は、現在日本の一部で、リンゴ生産と稲作で成功しています。正に日本を含むアジアを、4年前から視野に入れた、当協会の事業理念等は正解でした。勿論、中小企業専用の段階的簡易「3S-HACCP」も、まさに正解でした。

2007年5月28日月曜日

'07食品産業創造展・セミナーのレポート(2)


先日に行なわれた「食品産業創造展」のレポートを写真付きでお届けします。まずは、看板です。マリンメッセ福岡は、大規模なコンサートなど様々なイベントが行なえる会場なので、収容人数も15,000人収容可能です。施設についての詳細は、公式サイトをご覧下さい。■マリンメッセ福岡:公式サイト




続いて、当協会のブースの様子です。入り口から入るとまず当協会のブースが構えているという、非常に好立地のブースをいただけました。




セミナーは、本会上の上にある会議場にて行なわれました。




ご覧の通り、セミナーには関心を持って下さった大勢の方が参加してくださり、盛況のうちに幕を閉じることが出来ました。(立ち見も出来るほどでした)食品衛生に対する関心の高さと、当協会の果たす役割の大きさを改めて実感した次第です。参加・ご清聴して下さいました皆様には、この場を借りて深く感謝申し上げますと共に、満室によりご入場できなかった皆様にはお詫び申し上げます。


来年の展示・セミナーに向け、改善点などを考慮して、より質の高いものを提供できるよう、励んでまいります。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

食の「品質・安全」対策ニーズ

消費者の食の「品質・安全」保障ニーズは、実は今から7年前の2000年から始まっています。その始まりは、2007年の「ダスキン食品事故」と「雪印乳業食品中毒事故」でした。次に2002年の「食肉加工・牛肉偽装事件」でした。そして「食中毒」には至らないが、しかし「食品衛生」管理が杜撰な「不二家・食品事故」が、内部告発により突然発覚しました。こうした事件が、食の「品質・安全」保障ニーズに一気に拍車をかけることになりました。



公正中立な中小企業専用の第三者認証が必要


その証拠として、先日マリンメッセ福岡で開催された食品産業創造展での当協会主催セミナー等において、この『食の「品質・安全」保障ニーズ』に対し、昨年よりも、中小食品製造企業並びに食品関連中小企業の経営者等が、大きな関心を示していたことが大変印象的でした。

今まで業界横並びの様子見状態であった、食品製造業界並びに食品関連業界において、一変して「食品衛生予防」対策マネジメントの「HACCPマネジメント」第三者認証は避けて通れないないと言う時代認識が急速に拡大しています。ですので今後、進取の気性と危機管理意識そして、マーケット戦略意識の高い、食品製造及び食品関係の中小企業の経営者が堰を切って、当協会の「3S-HACCP」認証又は中小企業専用の国際ISO認証機関IQS-JAPAN(株)認証のISO9001及びISO22000を取得して、独走態勢で「生き残り」繁栄戦略を実行して行くことでしょう。



学習する消費者


上記の今までの一連の「食品事故」できっちり学習した消費者とマーケットは、日本特有のいい加減な「自主HACCP」等や業界馴れ合い談合体質の「業界HACCP」等をもはや信用・信頼していません。それで、今後の食品製造・食品関係の中小企業において有効な手段は以下の通りです。



  1. オンリーワンのマーケット戦略対策

  2. 食品事故予防対策

  3. 経営事故予防法務対策


これらを同時並行的に優位に実践して行くには、やはり当協会が4年前から力説し続けています、「3S―HACCP」を、オンリーワンの絶えざる「経営革新」戦略として、段階的に実践して行くことです。

そして、必要に応じて、「3S-HACCP」を当協会の提携先の国際ISO認証機関IQS-JAPAN(株)認証のISO22000へ変更することも可能です。加えて、現在認証取得しているISO9001をISO22000へ変更することも可能です。或いは、現在認証取得しているISO9001を改善して「3S-HACCP」認証と統合活用することも可能です。

何れにしても、経営資源に限りがある、食品製造・食品関係の中小企業の必要性に応じて、オンリーワンの絶えざる「経営革新」戦略として、段階的に又イージオダー的に組み合わせ自由にISO・HACCPを有効活用することが出来ます。正に当協会は、「良い経営」へと成長し続けたい進取の気性のある、前向き志向の元気な中小企業の味方であり、理想的なオンリーワンの応援団なのです。当然、指導・支援トータル費用も割安となっていますし、指導・支援は親切・丁寧をモットーとしています。



当協会及び普及員に対し、地域社会での社会的責任が増大している


因みに、今後大ブレークするHACCP等関連市場規模は約2兆円と予測されていますので、IT企業や建築・設備企業、そしてコンサルタント企業等にとって看過できない新規成長ビジネスとなって行きます。しかし食品製造業界と食品関係業界は建設業界等と同様で、中小企業が大半です。従来の「設備・建築」優先のHACCP等に偏重しないように今後共、当協会及び普及員が中心になって正しい本来のマネジメント・システム中心の良心的な、中小企業・消費者本位のHACCP等を、地元で支援・普及して行く社会的責任が大いにあります。



中小企業にも影響を及ぼす出来事


当協会を4年前に、アジアの玄関口である九州・福岡で立ち上げていて正解でしたし、本当に予測的中でした。折りしも5月21日、世界の「製造下請」国から、中国ブランドの工業製品と農産物そして食品の輸出大国を目指している中国は、現在国際的に問題となっている「品質・安全」トラブル被害を解消すべく、全世界へ向けて「中国は消費者の安全と健康に責任を負う国家」宣言を行い、今後重要な国家戦略として「安全確保は政府の重要職務」と位置付けました。アジア全体での意識向上が強まるということです。

さらにタイミング良く、5月22日に米国と中国は第2回「米中戦略経済対話」において、今後米国が中国の「食品安全」と「環境保護」について支援して行くことで、両国の利害が一致しました。ですので、いよいよアジアでも、製品・食品等の「品質・安全」保障“大競争合戦”時代が始まって行きます。このアジア大「品質・安全」競争時代での勝因は、今後国際基準のISO・HACCPを、絶えざる「経営革新」戦略として、いかに独自活用出来るかということです。

従って、今後中小企業といえども、暢気に日本の横並びの業界だけを意識した旧態依然とした“井に中のかわず”の一歩先んじない「惰性経営」に甘んじていると、“とんでもない”ことになります。あのダスキン食品事故結果と不二家食品結果以上の明暗格差が今後生じることになるからです。

因みに、不二家はあの「食品事故」発覚以後、直前2ヶ月間で、140億円の損失を被りました。そして、今回の3月決算では、売上は前期比で24.7%減となり、税引き後利益は80億円の大赤字となってしまいました。非常に大きな代償を払うことになりました。人事・他人事ではありません。日本においても年々、特に若い人のモラルが低下しているからです。



各地の取り組み


しかしながら、現在福岡において、「地産地消」と「安心・安全・健康」をコンセプトした「食のテーマパーク」業態マーケットが急速に拡大しています。何れにしても、国の経済と企業の経営の持続的繁栄は、すなわち継続的な「品質(自由・品格)・安全」保障に大いに依存しているようです。一時経済と経営が衰退していた英国では現在、自由と安全のバランスを良く保つことにより、かっての世界経済都市ロンドンが、米国・ニューヨークを尻目に復活しています。

そして、年々アジア経済依存傾向が濃厚となって来ている日本経済・経営は、このアジア経済成長にあやかって空前の景気を謳歌しています。現在、アジアの玄関口・福岡では、このアジアブームにあやかるべく、加えて従来の下請け依存体質経営から脱却すべく、アジア留学生を雇用することにより、アジア進出戦略を目論んでいるようです。

2007年5月18日金曜日

'07食品産業創造展・セミナーのレポート(1)

去る5月15日(火)~17日(木)の3日間マリンメッセ福岡において日刊工業新聞社が開催した、西日本最大規模の食品関連展示会「第17回西日本食品産業創造展」が無事終了しました。そして、当協会と国際ISO認証機関IQS-JAPAN(株)との協賛で開催した「HACCP等セミナー」と「無料相談会」も無事大盛況の中で成功裏に終了しました。

今回の「HACCP等セミナー」等で観察し感じた点を、下記にまとめてみましたので、皆様の日頃の業務にお役に立てば幸いです。


  1. 今回、公的機関(農林水産省・九州農政局、福岡市等)の位置に次いで、当法人のブースは設置され、HACCPに真剣に興味を抱く中小食品関係事業者が立ち寄って来られた。昨年とは違い、積極的な姿勢で、反応の良さを強く感じるものでした。
  2. 初日の「農業HACCP」(特別栽培+GAP+HACCP)公開セミナーには、思った以上の約50名の出席者で大盛況でした。中小企業診断士と農林水産省との共同企画で、GAP等による農業法人化と当該法人の経営近代化・合理化を普及・促進すべく、当協会の隣のブースで相談会が常設されていました。又GAPの公開セミナーを実施していました。

    5月15日のNHKテレビ番組でも、現在と今後の日本農業について特集していましたが、バイオ燃料化の世界的流行で、日本農業も、自前で家畜飼料やバイオ燃料のために、米や農産物を積極的に生産するように、今後官民一体となって普及促進して行くようです。

    他方、食料用の農産物については、国内での「品質・安全」保障ニーズによって、今後GAPやHACCPについて関心が高まって行くようです。そして、日本の農業の国際競争力を強化するためにも、今後GAPやHACCPは避けて通れないようです。但し、現在GAPとHACCPの指導・支援出来る専門家の要請が急務のようです。当協会では既に要請しています。
  3. 第二日目の本命の『中小企業こそ取り組むべき、ISO・HACCPを活用した新「経営革新」戦略』も、第一日目の公開セミナー同様に、立見席が出る大盛況でした。今回の公開セミナーの出席者は約55名で、地場銀行や地場食品業者そして大手IT企業と公的機関(保健所等)が大半でした。

    昨年と違って、HACCPに対する積極性が散見され、今回のセミナー後の名刺交換等で、ある有名なアジア進出展開中のラーメン本部等が、積極的にHACCP導入を検討していることが判明しました。しかし、肝心なISO9001・ISO22000・HACCPとの相関関係がどうも良く分かっておられない状態でした。他業者の方々そうでした。

    そして、多くの中小企業の経営者等が、「HACCPは今後必要だが、設備等が中心で非常に導入費用が高く、且つ維持費用も高いので、中小企業では負担である」と言う間違ったマイナス固定観念が以前として強く、且つ「中小企業専用のHACCPの導入・維持の仕方が分からない」と言う素朴な疑問が足かせになっていることが、改めて判明したので、今回の公開セミナーや無料公開相談で、この大いなる誤解等を解き明かし解消しました。

以上のことから、今後時代ニーズ等を先取り出来る進取の気性のある賢い中小企業こそ、今後「大異変」の時代においても、良い顧客と良い従業員等から継続して支持されて、「生き残り」繁栄出来る条件を満たして行くことになります。従って、大半の中小企業の特徴となっている、(1)予算が少ない(2)目の前の業務で忙しい(3)今まで何もなかったし、今後も何も無いだろうの「惰性経営」では、確実に「品質・安全」保障経営は、いつまで経っても、不可能なので、「経営環境不適用症死」か、「経営突然死」が遅かれ早かれ襲うことになります。

ですので、同業者や監督官庁そして取引先や消費者・従業員から「言われて」するようでは、戦略的に言えば確実に手遅れです。この時流を感じ取っているある食品関連中小企業の経営者は、当協会の常設ブースでの会話で、「今後食品関連中小企業において、HACCPを避けて通ることは出来ない・・・・」と断言していました。昨年までとは正に様変わりです。約3年前の予測に、HACCPの大ブレークの予兆です。更に来年が楽しみです。

2007年5月16日水曜日

HACCP等の必然性

もはや縦割り行政・司法制度と連動した士業体制等の事後(事故)対症対応では、特に中小企業等では手遅れになってしまうことに疑問の余地はありません。

昨年から今年にかけて数多くの反面教師教材が誕生してきました。問題なのは、この生きた教材を、経営資源の少ない中小企業等において、『「マーケット戦略」・「経営事故予防戦略」・「統合予防法務戦略」』として、日々の経営現場において統合活用できているか・・・と言うことです。

「人財・予算・統合指導・ヤル気・ITマネジメント」不足で、肝心な中小企業において、残念ながら、現在これらの絶えざる「経営革新」戦略は今だ手付かず状態です。しかし、「慣性・慢性の法則」で、旧態依然とした現状維持の「惰性経営」に甘んじていると、致命的なリスキー経営となってしまい、最悪の場合には、経営者と全従業員そして被害者等の生活全てを奪ってしまいます。なぜなら、統計学的に「予防策を講じないと、致命的な結果に至る可能性が高くなる」からです。この検証材料は、山ほどあります。

感染症問題

そこで、今後関係者として、非常に気になるのが、食品衛生での「感染症」問題です。現在進行中の環境破壊とモラルハザード、そして高齢化と食物汚染や食品添加物問題等によって、動物等から人、そして人から人、加えて食材・食品から人へと、今までに無かった「感染症」の危険と危機が高まっているからです。

例えば、昨年のノロウィルス「感染症」による労災事件まで発展した、「食品中毒」事件を思い出します。それから、鳥インフルエンザがいつ第二のスペイン風邪(感染症)に発展するのか、戦々恐々と専門家筋から警戒され続けています。そして、現在“はしか”が日本の若者の間で大流行しています。加えて現在、不倫等の性的接触で、死に至る「アメバー赤痢」の感染者が日本で急増しています。そして、今後更に容赦なく、食品衛生予防HACCPマネジメントのない企業を直撃する、新たな「感染症」問題が発生して来るはずです。

従って、今後ますます、上記の自然・社会環境激変と未曾有の国際人流等による「大異変」によって、「食品衛生」と「健康・生命」を脅かす問題が例外無く急増して行きます。ですので、今まで何もなかったので、今後もなにも“無いだろう”と言う安易な「惰性経営」では、確実に将来はありません。

以上のことから、今後中小企業等の飲食店・ホテル・病院・食品製造業等において、必然的に、「食品衛生」問題の「戦略・予防」戦略対策として、企業内外での「食育」(食に関する正しい知識を身に付け、健全な食生活と食文化の継承等)を兼ねた、オンリーワンの進歩系IT統合「法務会計」(統合法務・会計・IT・マーケティング・マネジメントの統合活用)+HACCPマネジメントが必要不可欠となって行きます。そうしないと、今後致命的な未曾有の経営問題で、「経営突然死」に至る“経営難病“に苦しむことになるからです。

2007年4月25日水曜日

GAP(適正農業規範)

GAPの注目度


日本でも「適正農業規範」(GAP)が、やっと注目されてきました。マーケットにおいて「食の安全・安心」ニーズが高まって行くに従い、食の基本である農業そして農産物から、HACCP概念を導入して行くことが当然の成り行きだからです。

2年前に中国農産物の一大産地となっている山東省において、山東省等の行政(人民政府)のご依頼で、中国産農産物のGAP・HACCP・特別栽培農産物証明等について、地元行政担当者・地元農業生産者・地元農産物加工製造業者に対し特別に研修講演しました。この様子は現地のテレビで大々的に放映されました。日本より中国は農産物を積極的に輸出していますので、当時から官民共に、日本よりGAPとHACCPに対する意気込みを肌で感じ取ることが出来ました。

しかし2年前当時から、危険なのは中国産農産物のみならず、日本産農産物もそうではないか・・・と専門家筋から警鐘が鳴らされていました。そこで現在、日本では農業・農産物に関する国際基準の適正農業規範(GAP)が注目され始めた訳です。

このGAPはコーデックス委員会で策定されている農業・農産物の「衛生管理」マネジメントの国際基準です。

(詳しくは、当協会の「普及員」にお聞き下さい。そして、来る'07年5月15日(火)午後11時~12時に、マリンメッセ福岡で行われる展示会で、『消費者の傾向は安さから「品質・安全性」へ』のセミナーを行ないますので、可能なら是非ご出席下さい。)

尚、当協会では、GAP・HACCP・特別栽培農産物について、中小企業等専用の第三者認証並びに第三者証明が可能となっています。現在指導・支援中です。農業から食品製造・販売そして飲食調理等まで一貫して第三者証明・認証出来るのは、日本では当協会のみです。


規制強化の流れ


今後地域社会において大きなマーケットとなって行く、団塊の世代を中心にした「シルバー・マーケット」では、「品質・安全」保障の「本物志向」が重視されますので、早速監督官庁の厚生労働省は、このマーケットで需要が拡大して行く「健康食品」(含健康サプリメント)について、問題が多くなって来ており、ほぼ野放し状態だったので、懸案の「品質・安全」保障の制度について検討を始めました。又必要に応じて食品衛生法を随時改正出来るようにすべく、その検討も始めました。正に食品関係は規制強化です。

今後健康食品については、予防医学・介護の観点から、成長・拡大して行く有望なマーケット(約3兆円市場)です。当然、健康食品の食品衛生・食品衛生予防HACCPに関するマーケットも拡大して行きます。その市場規模予測は、約2兆円市場と予測されています。当然今後、農業・食品製造・食品流通等を一貫したHACCPリンクを前提としているISO22000認証が本格普及して行くことにもなります。

しかし、現在バイオ燃料の世界的な需要拡大によって、食料農産物の確保が厳しく、且つ値段が高騰してきており、今後日本の農業と食材等にどのような影響を与えて行くのか油断出来ない状況です。ですから、今後「安全・安心」の「地産地消」等による自給率アップが国策及び農業を含む地方活性策となって行きます。従って、今後更に食品業界及び飲食店業界では、独自に農業に参入する機運が高まって行くはずです。この流れは、日本農業の再生と活性化対策そして環境問題改善策ともなって行きます。しかし現在、農業人口が減少傾向にありますので、この分野でも何れ外国人が必要となって行きます。

2007年4月5日木曜日

食品業界「営業・経営」動向

マネジメント手法の見直しが必要


現在進行中の少子高齢化・ITボーダレス化・景気回復安定化・法化社会化・食育健康志向化・品質安全重視傾向・生活格差等を総合的に勘案すると、全ての企業が規模・業種に関係なく、現在製造又は生産し販売している自社の製品・商品・サービスの内容及びその営業・経営マネジメントについて大至急革新的に見直す必要があります。

なぜなら、従来の“税務会計”依存の姑息な現状維持「営業・経営」体質・体制では、新たなオンリーワンの「経営革新」に挑戦できないし、現在進行中している前代未聞の未曾有の「異変時代」ニーズに対応できないばかりか、そのニーズ・チャンスをオンリーワン的に先取り出来ないために、変化不適応企業として、一気に経営不振となり経営倒産を刈り取ることになる恐れがあるからです。

そこで、地域消費者ニーズに敏感な外食・総采・生鮮食品等の食業界の最新動向について、お知らせします。

今後の皆様の業務改善と経営革新にお役に立てば幸いです。尚、地域格差や地域独特の人口構成や食事情等がありますので、それらを加味して活用されることをお奨めします。勿論、オンリーワンの「営業・経営」革新戦略を犠牲にして、節操と一貫したポリシーの無い、その場しのぎの対症療法に終始しないことです。


  1. 現在、外食チェーン各社では、既存の高級メニューを格安で提供する動きが相次いでいる。しかし、従来の“価格破壊”路線効果に疑問が生じている。


  2. 都心部において、既存高級メニューが約半額価格で提供され、若者層を中心に支持され始めている。主にしゃぶしゃぶ・豚カツ・カニ料理・うなぎ料理・天丼等が善戦している。ファミリーレストランの老舗・ロイヤルやピエトロでも、時代ニーズに沿って、既存メニューを一新するような営業・経営革新を断行中。

    他方、中華そば等で有名な幸楽苑では、人気主流アイテムの中華そばのみを一気に390円から290円に値下げした所、その値下げ効果で一時的に来店客数と売上が増加したが、直ぐに横ばいとなって、むしろ赤字経営へと転落した。今までの価格破壊路線の効果性に疑問が生じる結果となった。

    因みに、繁盛居酒屋では、食べ物と飲み物を合わせて30以上アイテムが主流となっており、如何に売上と利益に貢献出来るメイン・オンリーワン定番(粗利益70%前後)メニュー・金庫版(高粗利益70%以上)メニューと看板(粗利益60%前後)メニューを継続的に開発して行くかが、持続的繁盛経営の決め手となっている。

  3. 野菜中心・健康志向のバランスの良い手作り家庭料理への関心が、主婦層を中心に、食育等の影響で、現在高まっている。


  4. しかし、働く主婦が大半なので、現実には健康な手作り家庭料理が出来ないので、今後食育(健康で安全な食生活の提案)を兼ねた健康で安全な総采ニーズが全国各地でビジネス化して行く。現在、福岡でもそのような総菜店が繁盛している。今後当然、経済的で効率的な“特別栽培”証明による低農薬・無農薬の農産物が主流となって行く。(当協会で第三者証明中)

  5. 99円の日常生鮮食品に拘って急成長した「99プラス」(ショップ99)では、最近の来店女性客のニーズが、ボリュームや価格より、健康や安全を重視している変化に気づき、一部商品の内容を変えた。


  6. 例えば、1個99円のキャベツを半個99円(倍の価格)で販売した所、売れ行きが好調なので、一気に「価格重視」から「品質重視」路線(品揃え)へ変更し、その一貫として、保存料や合成着色料を一切使用しない弁当や総采へと品揃えしている。現在進行中の食育効果と健康志向そして景気回復安定と人材難等によって、現在安売が主流の昼食弁当業界にも、今後確実に異変が生じることになる。

    この点で、NPO法人アジアHACCP協会が現在実施している割安な特別栽培証明と簡易「3S-HACCP」(商標登録済HACCPマーク使用可)認証を統合活用すれば、経済性のある効率的な食の「品質・安全」保障対策が可能となる。

    しかし、ショップ99では、一部商品の価格帯の幅は広くするが、基本的には99円にこだわってゆく。つまり99円価格の範囲で、「品質・安全」保障(顧客ニーズ)の営業・経営マネジメントを強化して行くことにより、現在の景気回復の恩恵を受けるように、売上と利益を改善・向上している。

  7. 千葉の中堅コンビニエンス・ストアでは、同店のオンリーワンの売りとなっていた焼きたてパンの調理工程を簡素化して品質の安定につなげた創意工夫を行い、加えて人件費や食材のコストダウンを行い、且つ大幅な商品構成の見直しを断行した。


  8. 一部商品の値上げを行った、この「経営革新」の結果、売上と利益が好転し、今後積極的な出店を目指している。福岡でのスーパーマーケットの最新消費者動向調査でも、従来の価格と近所が来店頻度の決定要因となっていましたが、品質と安全が重要な来店頻度の決定要因へと変わって来ていることが明らかとなっていました。

    おにぎり革命で躍進したあのコンビニ大手のローソンでも、時代・地域ニーズに沿って、今までの成功を否定するような思い切った営業・経営革新に着手している。現状維持では、新興勢力のコンビニに食われ、消費者から見捨てられと言う社長の危機感がそうさせている。

  9. カフェ大手のスターバックスコーヒーでは、主力商品について1割~2割値上げしている。


  10. 主な値上げ理由は、現在値上げされているコーヒー原料費と、今後人材不足によって生じるパート等の人件費で、今後食業界では慢性的な人手不足等も手伝って、値上げ出来るオンリーワンの付加価値のある「良い店」と、そうでないために値上げ出来ない「良く無い店」との格差が拡大すると予測される。まさに食業界でも、「善悪の法則」(“善い経営”は更に良くなり、“悪い経営”は更に悪くなる)が証明されることになる。

以上のことから、今後食業界でも、「品質・安全」保障時代ニーズをオンリーワン的に先取出来る「経営革新」が不可欠となって行きます。ですので、今後食業界では大なり小なりに、間違い無く、予測・戦略・検証・改善・予防の思考・行動サイクルで関係法務・会計・マネジメントを統合活用するIT統合「法務会計」そしてISOやHACCPがセットで必要不可欠になって行くと言うことです。

2007年3月19日月曜日

HACCPの基礎:その4

一般衛生管理事項について


CODEXとして国際標準化している「一般衛生管理事項」(GMP+PP=SSOP)は、食品衛生法上の食品衛生管理基準であり、また、HACCPシステムの土台(前提条件)となっています。

一般的衛生管理事項(プログラム)は、GMP(Good Manufacturing Practice:適正製造基準)とPP(Prereguisite Program:一般衛生基準)を十分に満たしている事が前提となっていて、この二つを基本としてSSOP(Sanitation Standard Operation Procedure:衛生標準作業手順)を作成し、運用する事によって「一般衛生管理(事項)プログラム」は達成されていきます。

「一般衛生管理事項」は、下記のような10項目からなり(1)管理運営基準 と(2)施設基準が網羅されています。従って(1)製造環境衛生を確保するための手順書と(2)製造工程の中で食品などを衛生的に取り扱うための手順書に大別しながらSSOPつまり「衛生標準作業手順書」を作成していきます。


  1. 施設設備・機械器具の衛生管理

  2. 施設設備・機械器具の保守点検

  3. 従事者の衛生管理

  4. 従事者の教育訓練

  5. 鼠族昆虫の防除

  6. 食品等の衛生的な取り扱い

  7. 排水及び廃棄物の衛生管理

  8. 使用水の衛生管理

  9. 食品の回収プログラム(手順)

  10. 製品等の試験検査に用いる設備等の保守点検

以上の10項について、5W1H(Why・What・When・Where・Who・How)式に、(1)作業内容(2)管理手順(3)実施頻度(4)担当者(5)記録文書を定めてSSOPを作り上げていきます。

2007年3月7日水曜日

HACCPの基礎:その3

CODEX(コーデックス)について


各国の食品衛生基準は、食品衛生法並びに関係法令などで明文化され且つ罰則付きとなっています。勿論慣習法的な不文律も存在し、それなりの機能を果たしています。

日本の食品衛生法とHACCPとが関係している条文は、4条・7条・19~20条となっており、少なからずCodex食品衛生の一般原則からの影響を受けています。又Codex委員会の(CAC)のガイドラインがHACCPの土台となっています。

CACとは1962年にWHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)が合同で作り上げた国際的な機関で、その由来はコーデックス・アリメンタリウスというラテン語から来た言葉で、食品規格という意味を持ち、国際的な食品(衛生)規格(Codex):”一般的衛生管理事項”を作っています。


正式には「コーデックス・アリメンタリウス・コミッション」(Codex Alimentarius Commission)と言い、CACと略称されています。


既にCACは、Codex(国際食品基準)として(1)基本となる文書(2)HACCPガイドライン(3)HACCP評価ガイドライン(4)リスクアセスメント・ガイドラインを公表しています。(CODEXのサイト上で、国内の代表者連絡先が公開されています。

2007年3月2日金曜日

本命のHACCPブーム本格化

食の安全・安心ブーム


今後、いよいよ本命の「HACCPブーム」が本格的になってゆく背景・理由が整ってきました。この点で大手企業は目ざとくこのブームを先取りし、優位に自己事業に取り入れるべく、「HACCP提案」の発信をメディアを有効活用して繰り返し、自己の「HACCP事業」を新規開拓し、発展させて行っています。

その最たる事例が、東京海上日動や、大和ハウスです。

大和ハウスの試算では、「HACCP市場」は、約2兆円規模と見積もっていました。最新の2007年2月26日の日経流通新聞には、この大和ハウスのヤル気と意気込みを感じさせる、大々的な「HACCP啓蒙」広告が掲載されていました。その要点は下記の通りです。


  1. 当協会のように、中小企業の予算に応じて、段階的な「3S-HACCP」を志向しており、自社基準等のマニュアル作り等のソフトを重視する。

  2. 食品衛生の基本である、7S(整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・しつけ・清潔)を徹底することから始めて、HACCPまで高めて行く。
    因みに、仕事の基礎として、5S:整理・整頓・清掃・清潔・躾が最近再び注目されており、上記の7Sには、この5Sに洗浄+殺菌が加わっている。

  3. 経営トップが率先することが、HACCP成功の条件となっている。加えて、施設よりも人を重視したマネジメントとする。

これって、正に当協会が提供する「3S-HACCP」そのものです。当協会では既に第三者認証の実績があるので、先駆者有利のビジネス法則がますます働きます。最近、某大手食品計測機器メーカーの販売会社の中九州支店から、当協会に実績があると言うことで、同社の製品納入先の工場で「3S-HACCP」(商標登録済)認証についてのご相談がありました。

今後本命の「HACCPブーム」本格化に乗って、「3S-HACCP」認証及びHACCP中心のISO22000認証が盛んになって行くと思います。その予兆として、現在国内のみならず海外からも、当協会のウェブサイトへのアクセスが増加傾向にあります。

何れにしても、先発の東京海上日動や大和ハウスにしても、独自に「HACCP認証」が出来る訳ではない訳ですから、今後当協会のような零細・中小企業専用の「HACCP認証」機関に、自ずと注目が集まって行きます。そして、当協会には関係機関として、国際ISO認証機関IQS-JAPAN㈱が併設されているという強みもあります。

このような零細・中小企業専用の一貫した「HACCP認証」システムは日本中及び世界中にはありませんので(おそらく)、正に画期的なオンリーワンのシステムなのです。加えて、今後ますます注目されて行く、零細・中小企業等専用のIT統合「法務会計」(法務・会計・IT・マーケティング・マネジメントの統合活用)が、土台として、「安心・安全」基本保障となっています。



不二家の安全宣言


余談ですが、3月2日をもって、あの「不二家」社は、「食の安全」宣言を全国紙の新聞で公表しました。その根拠の一つに、米国産の「AIB食品安全管理」システムの導入を上げていましたが、日本農林水産省等は、「食の安全」予防対策として、国際基準のHACCPを中心としたISO22000の国際基準認証を奨励していますので、今後共、食品関連の中小企業では、やはり本命の我流ではない「HACCP第三者」認証が主流となって行きます。

従って、今回の「不二家」食品事件で学習した消費者は、更に賢くなりました。それで、「自主HACCP」や馴れ合い談合体質の「業界HACCP」に、更に不信感を持つようになっており、今後必然的に、外部監査を兼ねた信頼性のある第三者認証のHACCPが脚光を浴びることになります。

2007年2月26日月曜日

HACCPの基礎:その2

CCPについて


HACCPは食品事故予防策として導入・運用しますので、CCP(重要管理点又は必須管理点)にはじまりCCPでおわると言っても過言ではありません。従ってHACCPはこれで完成ということがなく、常に改善を続けていく進行形の姿勢が必要不可欠となります。

CCPで重要なことは、基本的にはPHとD値又は過熱致死温度等のコントロールです。その重要なことは、下記の点です。

  1. コントロール(制御)手段があるのか

  2. 許容水準を満たせば、より安全な食品が製造できるということが確認できるか

つまり、現在の科学技術でコントロールできない又は予見できないことは、決してCCPにしないことです。できないことにお金と時間を費やしても無駄な訳です。

但し、PL法訴訟では、予見可能性と回避可能性等が法的に問われますので、現行CCPについては現行の科学技術に照らし合わせて、見直しと改善及び是正しておくべきです。そうしなければ、訴訟段階で過失を問われることになるからです。

HACCPの基礎:その1

ph値およびD値について


食品衛生予防策としてのHACCPを知るうえで欠かせない基礎知識があります。例えば、代表的なものとして①PH(ペーハー)②D値などがあります。

PHとは「モル濃度で表した水素イオン濃度の逆数の常用対数」と定義づけされていますが、素人にはわかりにくい説明です。そこで「酸性とアルカリ性の度合いを表す数値で0~14まである」と言うと良く分かります。

ちなみにPH7が中性で、7より小さな数値が酸性そして8以上になるほどアルカリ性が強く、逆に6以下になるほど酸性が強いと判断します。他方、D値とは殺菌係数(分値)のことで、細菌をある温度で加熱した場合、生残菌数を10分の1にする。すなわち90%を死滅させるのに要する時間を示す分値です。例えば、サルモネラ菌は加熱温度60℃であれば、4.3分(D値)で90%のサルモネラ菌が死滅すると言う意味です。

現在最も注目されている食中毒について、その主な原因となっている微生物の「加熱致死温度」について、D値と異なる方法として、基質(原材料)ごとに何度Cで何分で、食中毒の汚染源となる特定細菌が死滅するのかについても学習しておく事が必要不可欠となります。

例えば、加熱時間10分であれば何度Cで大腸菌は死滅するのか、つまり「加熱致死温度」としては、下記の通りです。



  • クリーム
    大腸菌加熱致死温度:73℃

  • 全 乳
    大腸菌加熱致死温度:69℃

  • 脱脂乳
    大腸菌加熱致死温度:65℃

  • 乳 清
    大腸菌加熱致死温度:63℃

  • ブイヨン培地
    大腸菌加熱致死温度:61℃


ちなみに、O-157の場合は75℃で1分間加熱する事で死滅するとなっており、米国農務省では73℃となっています。このように、HACCP対応についてはその導入企業などに合った継続学習と継続実践そして継続改善が不可欠となります。それで、NPO法人アジアHACCP協会のような存在を活用することが非常に重要な意味を帯びてくるといえます。