2007年5月18日金曜日

'07食品産業創造展・セミナーのレポート(1)

去る5月15日(火)~17日(木)の3日間マリンメッセ福岡において日刊工業新聞社が開催した、西日本最大規模の食品関連展示会「第17回西日本食品産業創造展」が無事終了しました。そして、当協会と国際ISO認証機関IQS-JAPAN(株)との協賛で開催した「HACCP等セミナー」と「無料相談会」も無事大盛況の中で成功裏に終了しました。

今回の「HACCP等セミナー」等で観察し感じた点を、下記にまとめてみましたので、皆様の日頃の業務にお役に立てば幸いです。


  1. 今回、公的機関(農林水産省・九州農政局、福岡市等)の位置に次いで、当法人のブースは設置され、HACCPに真剣に興味を抱く中小食品関係事業者が立ち寄って来られた。昨年とは違い、積極的な姿勢で、反応の良さを強く感じるものでした。
  2. 初日の「農業HACCP」(特別栽培+GAP+HACCP)公開セミナーには、思った以上の約50名の出席者で大盛況でした。中小企業診断士と農林水産省との共同企画で、GAP等による農業法人化と当該法人の経営近代化・合理化を普及・促進すべく、当協会の隣のブースで相談会が常設されていました。又GAPの公開セミナーを実施していました。

    5月15日のNHKテレビ番組でも、現在と今後の日本農業について特集していましたが、バイオ燃料化の世界的流行で、日本農業も、自前で家畜飼料やバイオ燃料のために、米や農産物を積極的に生産するように、今後官民一体となって普及促進して行くようです。

    他方、食料用の農産物については、国内での「品質・安全」保障ニーズによって、今後GAPやHACCPについて関心が高まって行くようです。そして、日本の農業の国際競争力を強化するためにも、今後GAPやHACCPは避けて通れないようです。但し、現在GAPとHACCPの指導・支援出来る専門家の要請が急務のようです。当協会では既に要請しています。
  3. 第二日目の本命の『中小企業こそ取り組むべき、ISO・HACCPを活用した新「経営革新」戦略』も、第一日目の公開セミナー同様に、立見席が出る大盛況でした。今回の公開セミナーの出席者は約55名で、地場銀行や地場食品業者そして大手IT企業と公的機関(保健所等)が大半でした。

    昨年と違って、HACCPに対する積極性が散見され、今回のセミナー後の名刺交換等で、ある有名なアジア進出展開中のラーメン本部等が、積極的にHACCP導入を検討していることが判明しました。しかし、肝心なISO9001・ISO22000・HACCPとの相関関係がどうも良く分かっておられない状態でした。他業者の方々そうでした。

    そして、多くの中小企業の経営者等が、「HACCPは今後必要だが、設備等が中心で非常に導入費用が高く、且つ維持費用も高いので、中小企業では負担である」と言う間違ったマイナス固定観念が以前として強く、且つ「中小企業専用のHACCPの導入・維持の仕方が分からない」と言う素朴な疑問が足かせになっていることが、改めて判明したので、今回の公開セミナーや無料公開相談で、この大いなる誤解等を解き明かし解消しました。

以上のことから、今後時代ニーズ等を先取り出来る進取の気性のある賢い中小企業こそ、今後「大異変」の時代においても、良い顧客と良い従業員等から継続して支持されて、「生き残り」繁栄出来る条件を満たして行くことになります。従って、大半の中小企業の特徴となっている、(1)予算が少ない(2)目の前の業務で忙しい(3)今まで何もなかったし、今後も何も無いだろうの「惰性経営」では、確実に「品質・安全」保障経営は、いつまで経っても、不可能なので、「経営環境不適用症死」か、「経営突然死」が遅かれ早かれ襲うことになります。

ですので、同業者や監督官庁そして取引先や消費者・従業員から「言われて」するようでは、戦略的に言えば確実に手遅れです。この時流を感じ取っているある食品関連中小企業の経営者は、当協会の常設ブースでの会話で、「今後食品関連中小企業において、HACCPを避けて通ることは出来ない・・・・」と断言していました。昨年までとは正に様変わりです。約3年前の予測に、HACCPの大ブレークの予兆です。更に来年が楽しみです。

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