2007年5月30日水曜日

食の消費動向

消費者動向の変化


日本経済のバブルが崩壊して、外食業界での店舗数は毎年激変しています。その中で善戦しているのが、ファーストフードやデパ地下食品売り場、そしてスーパーの食品売場などです。しかし、現在形成しつつあるシニア・シルバー巨大マーケットや少子化でのニーズを先取りすべく、外食業界では、無理な店舗数拡大よりも、新規メニュー開発と同時に、思い切った改装に絞り込んだ重点設備投資計画を実施し始めました。加えて、中食産業に新規参入すべく、健康食材・総菜等の宅配を開始しました。

他方、最近の高齢者の食品消費動向マーケティング調査で、その消費傾向が分かってきました。今後この下記のデータと地域性等を勘案し、加えて「食の安全・安心」ニーズと健康志向に対応した「食育」を兼ねた、食品アイテムの品揃えや新規食品開発等が、特に中小の食品製造業者・総菜業者・飲食店業者・カフェ業者・弁当販売業者等で急務となって行きます。なかでも下記の食品アイテムは、今後相当変化して行くことでしょう。


  1. 漬物・佃煮

  2. 加工水産(のり・昆布・かつお節等)

  3. 珍味

  4. スプレッド類(ジャム・ピザソース等)

  5. 練り製品(かまどこ・ちくわ等)

  6. 水物(豆腐・こんにゃく・納豆等)

  7. 農産乾物(ゴマ・干し椎茸・豆等)

  8. 食用油

  9. デザート・ヨーグルト

  10. 乳飲料

  11. 缶詰

  12. 嗜好飲料(コーヒー・お茶・紅茶)

  13. 粉類

  14. 果実飲料


今後期待できるマーケットは?


今後の品質・安全・健康志向等によって、シニア・シルバーマーケットでは、火気等の必要な食品や、保障が不透明な冷凍食品は敬遠されることでしょう。加えて住宅の修繕費・改装費等の住宅関連費用の増大によって、特に洋食系の外食は敬遠されて行きます。ですので、今後「品質・安全・健康」志向の団塊の世代を核として高齢化が加速して行くと、期待できるマーケットはどこなのでしょうか?それは、品質・安全・健康志向(予防医学・予防介護志向)を活かした、総菜屋や家庭宅配の食品・弁当マーケット等です。

そうなれば、細菌等に弱い高齢者にとって、自宅に持ち帰って、或いは自宅で、火気なしで、食する総菜・食品・弁当ほど、自宅で「食中毒」等の被害になる恐れが高くなるので、これらの分野こそ、旧態依然とした今流行りの「安全だろう」の食品衛生基準では、無防備であり、食品衛生予防の危機管理体制(食品衛生一般原則+関係法令+HACCPマネジメント)ではないので、或る日突然に高齢者の思わぬ「食品事故」又はあの不二家のように「内部告発」で、あっけなく「経営倒産死」を迎えることになります。

因みに、今後ますます日本国内外での共通したマーケット要求となって行く「食品安全」とは、国際基準のISO22000では

「食品が意図した用途に従って調理され、食される場合に、消費者に危害をもたらさない」

と言う意味です。そして、「食品安全ハザード」とは、「健康への悪影響をもたらす可能性がある食品中の生物的・化学的・物理的物質又は食品の状態」を意味します。

例えば最近、こんにゃくゼリーの食事で、高齢者と子供に「事故」が発生しています。ですので、今後全ての食産業等において無視・看過出来ない、「食品安全」と「食品安全ハザード」は、農産物等の食材から始まって、工場等での生産や流通・販売、そして消費者の食卓までを網羅したものである必要がある訳です。

現在「品質・安全」を無視した、旧態依然とした現状維持の「惰性経営」が、どんな結末を刈り取ることになるのかは、枚挙にいとまがありません。ですので、「品質・安全」保障は、今後マーケット戦略対策・食品事故予防対策・経営事故予防法務対策として、健康と生命に関係した食産業においてこそ、ますます必要不可欠となって行きます。

この「品質・安全」保障経営を一日でも怠り遅らせば、年金難民・IT難民・生活難民等のように、HACCP難民(経営者・従業員)となって、何れ「経営突然死」を迎えることになります。なぜなら、「品質・安全」保障について、油断している場合に限って、思ってもいなかった、又今まで経験しなかったような悲惨な「食品事故」と経営死に至る「経営事故」に遭遇するからです。

余談ですが、現在国際的に特に食品等の「品質・安全」保障が問題となっている、日本の食材(農産物)の大半を占めている中国の農産物の「品質・安全」保障を確保すべく、当協会として現在、中国農産物の一大産地・山東省の莱蕪市(人口約120万)と泰安市(人口約500万)の地元行政機関等と共同実験農場がありますので、そのどちらかの農場でアジア産地の“果実酵素”を使った、「品質・安全・健康」保障を目指した、画期的な国外初の、無農薬・農産物の自然農法のバイオ実験を行う準備を始めています。

尚、この画期的なバイオ自然農法は、現在日本の一部で、リンゴ生産と稲作で成功しています。正に日本を含むアジアを、4年前から視野に入れた、当協会の事業理念等は正解でした。勿論、中小企業専用の段階的簡易「3S-HACCP」も、まさに正解でした。

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