食材や食品に対する消費者による「品質・安全」要求度は、今回の中国輸入冷凍食品に係わる一連の問題等で、一段とエスカレートしました。
そこで、日本の農林水産省は今年3月末に、食品業界:食品製造事業者・食品輸入事業者、食品製造小売事業者、外食事業者、中食事業者、生鮮食品卸売事業者、食品小売事業者向けの『信頼性向上「自主行動計画」策定の手引き』(5つの基本原則等)を公表しました。その主な内容は下記の通りです。
■基本原則1
「消費者基点の明確化」
消費者に信頼していたただき、安心して食品を買い続けていただくことが、企業が成長し、存続していくための必須条件です。
なぜなら、信頼は日々の積み重ねであるため、一度消費者の信頼を失ってしまうと、信頼の回復は極めて困難で、企業が成長し、存続し続けることも難しくなるからです。
消費者の信頼を得るためには、常に消費者を基点(消費者の視点から考えること)として、商品開発、原材料の仕入れ、製造、保管、表示、流通、販売などについて検証し、適切に対応して、消費者に安心を与え、信頼を確保することが大切です。
--【取組方針】--消費者の基点として、消費者に対して安全で信頼される食品を提供することを基本方針とします。
■基本原則2
「コンプライアンス意識の確立」
法令遵守や社会環境の変化に適切に対応していくことが事業活動を行っていく上で大前提となります。
なぜなら、法令を逸脱したり、社会環境の変化に対応できなかったりすることは、企業が社会的存在として成り立たないからです。
法令遵守を含め、企業を取り巻く社会環境の変化を的確に把握し、消費者や取引先などに対し、社会的責任を果たしていくための組織体制の構築など取組を強化し、活動することが強く求められています。
--【取組方針】--取り巻く社会環境の変化に適切に対応し、法令や条例、公正なルールや社会規範を遵守し、社会倫理に沿った企業活動を進めていきます。
■基本原則3
「適切な衛生管理・品質管理の基本」
不衛生な作業場で食品を製造し販売すると、食中毒の発生や異物混入の原因になるなど、消費者の期待にそぐわない食品を提供することになります。
つまり、適切な衛生・品質管理を怠ると消費者の信用を無くすことにつながります。
消費者への安全で信頼される食品の提供は、自社のファンを育てる積極的な投資としてとらえ、それを続けられるようでなければなりません。
衛生的な製造・流通・販売環境を整え、商品の開発から製造・流通・販売に至るまでの全ての過程において、経験や勘による対応にとどまらない科学的な取組を行い、衛生・品質管理を行っていくことが不可欠です。このことは、国内での製造、海外からの輸入にかかわらず大事なことです。
--【取組方針】--人の生命と健康の維持、楽しみに大きく関わる仕事に携わっているという自覚を持ち、安全で信頼される食品を消費者に提供するために、適切な衛生・品質管理をしていきます。
...<後半へ続く>...
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